超簡単・格安!石窯の作り方・基礎知識編

石窯でピザやパンを焼きたい!鶏の丸焼きを作りたい!
そんなワイルドな欲望をお持ちの方が増えているようです。
石窯で作った料理の美味しさはもちろん、竈の火を眺めているだけで癒される。
石窯には、そんなロマンがありますよね。

沖縄の家の石窯です。後ろのサトウキビがおしゃれでしょ?(笑)

今日は、そんなあなたのロマンを格安簡単に実現する方法についてご紹介します。
長くなるので、何回かにわけてお届けする予定です。

今日の内容は基礎知識編で
★石窯の種類
石窯の特徴
★どんな石窯がいいか?
★燃料はどうする?
★マンション住まいだけど作りたいの!

について解説します。
それでは始めましょう。

石窯の種類 には一室型と二室型の二種類があります。

一室型はナポリピッツァのお店にあるピッツア窯で、同じところで火を焚いて調理をするもの。

二室型は火を焚くところと調理をするところが別になったもの。
ヨーロッパのキッチンオーブンは両者が完全に別になっていて、高温になったオーブン本体の熱で調理をするもので、オーブンとコンロの両方の機能を兼ね備えています。二室型の石窯は、これと同じ原理なのですが、石窯の場合には火床と調理室が奥でつながっていて、火床の熱と熱風で調理をするようになっています。

石窯の特徴 を図にしました。

一室型は開口部から入った新鮮な空気で薪が燃焼し、その熱風が窯の天井をそって、同じ開口部から排気されます。
吸排気を同じ開口部から行うことや火の操作をするために、開口部はある程度の広さが必要です。
火床と調理室が同一なので床の面積は二室型よりも広くなります。
炎が窯本体を直接熱するので窯全体の温度を上げやすく、直火効果もあるので熱効率に優れています。
反面、空気の自然な対流で火をコントロールするので、火の燃焼管理が難しく、調理中の温度調整ができません。
ですから、ピッツァのように高温で一気に焼き上げる料理には向いていますが、パンのように低めの温度で長時間の調理をするには向きません(やってできなくはありません)。
また、ダッチオーブンなどの大きなものを入れると空気の対流が阻害されて、薪が不完全燃焼することがあります。
窯の内部の温度は天井が高温になる反面、床の温度が上がりづらくなります。ですのでピッツァを焼くときには底が生焼けにならないように、金属製パーラー(巨大杓文字のようなアレ)でピザの下を直火にかざして焼いていますね。

二室型は火床が下にあり、その熱風が調理室に回って調理室の開口部から排気されます。
吸気口と排気口が別なので燃焼管理が容易で、調理中に薪を増減することで温度調節が可能です。また、炎が調理室の床を炙るので、床の温度を上げやすいという利点があります。
その反面、炎が調理室の窯の天井を直接温めないので熱効率が悪く、高温が必要な調理の時は、あらかじめ調理室でも火を焚いて窯全体を予熱する必要があります。そのため二室型の調理室は一室型よりも天井を低く、開口部も狭く作ったほうが効率が良くなります。
したがって、二室型はピッツアほどの高温を必要とせず、火力調節をしながら長時間焼くパン作りに向いています。

作製については別途解説しますが、2室型のほうが資材も多く必要で、作成の手間や難易度も上がります。

どんな石窯がいいか? を作る前によく考えておくことは重要です。

ピッツァがメインなら一室型、パンを焼きたいなら二室型と言えますが、「パンもピッツァも焼きたいし、ダッチオーブンも使いたい」と思うかたが多いと思います。

結論から言えば、どっちでもピッツァもパンも焼けるし、作り方の工夫でダッチオーブンも使えます。

それよりも大事なのは、設置場所の問題です。

周囲に家のないところでしたら少々の煙が出ても問題ありませんが、住宅地で煙をだしたら即通報されてしまいます。
そうなると、燃料は薪ではなくて、煙が出ない炭を使わなければなりません。
二室型の窯を炭で予熱するのは大変なので、住宅地にお住まいの方は熱効率の良い一室型の方が良いでしょう。

次に問題になるのは大きさです。

今までに沢山の人の石窯作りをお手伝いしましたが、最初に作る時はだれしも「本格的」なものを作りたがるんですよね。
その結果、サイズ的にも大きめな二室型を作ってしまい「余熱に4時間かかる!」なんてことになって、庭のオブジェになってしまう人も少なくありませんでした。

ピッツァでしたら1枚3分程度で焼けますので、一室型であれば調理室の面積が幅50㎝、奥行き60㎝もあれば十分です。二室型であれば幅40㎝、奥行き50㎝でいいでしょう。
「一度に2枚焼きたい!」と思っても、同時に2枚のピッツァを調理するのは結構な技術が必要なので、一度に一枚焼ける程度の大きさで十分です。

燃料はどうする?

石窯の燃料は薪ですね。

薪はホームセンターで売っています。
自分で調達しようと、そこらの雑木林に入って勝手に木を切ってくるのは犯罪ですから、絶対にやってはいけません。
自分で調達するならば、街路樹の枝おろしなどを狙って、切った枝を貰ってくるのがいいでしょう。
建築の廃材を考える人もいると思いますが、調理に使う薪はブナやナラなどの広葉樹が適しています。建築材料に使う木は針葉樹なので、燃やすと独特の匂いがでるため不向きです。また建築用の木材は防腐処理などの薬品が使われているので、使わないほうが良いでしょう。

貰ってきた枝は乾燥させなければなりません。
丸太のままだとなかな乾かないので、適当な長さに切って割ってから雨が当たらないようにして、通気の良いところで半年くらい乾燥させてください。生乾きの木を燃やすと大量の煙がでるのでご注意くださいね。

私は半割にした薪を籠にいれて上に蓋をして、ウッドデッキの下に保管しています。
地面に接すると虫が喰うので、籠の下には古瓦を置いて地面と接しないようにしています。

住宅地にお住まいの方は、薪じゃなくて炭を使えば煙を各段に減らせます。

マンション住まいだけど作りたい! という情熱溢れるあなた。

実は私の知り合いにいるんですよ。マンション住まいで石窯を作っちゃった人が!

もちろん部屋の中に作ったわけじゃありません。

この方、石窯愛のあまりマンションの自治会に掛け合って、敷地内のスペースに作っちゃったんです!
自治会だけでなく消防署や管理組合との交渉も必要だったそうですが、やればできるものですねぇ。
今では「ピザおじさん」としてマンションの人気者だそうです。

この方がお住まいなのは複数棟の大規模マンションなので敷地にも余裕があったんですが、そんな敷地もない方は、郊外に住んでいる友人とか、農家の知り合いとかを探してみるといいかもしれません。

博物館の庭に石窯を作った人もいましたので、公共施設なんかも交渉次第では可能性があるかもしれませんね。バーベキューサイトがあるところなどは交渉してみる価値がありそう?

某博物館にあった石窯。現在修復中だそうです。

次回からは具体的な製作法について解説していきます。
ご期待ください♪

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