ミニカー作りブログ。今回のお題はWilliams Honda FW11bの1987年イギリスGP仕様です。
ホンダの1.5Lターボエンジン(なんと1500馬力!)がF1界を席巻してた頃の名車で、このレースでは1,2位がウイリアムズ・ホンダのナイジェル・マンセルとネルソン・ピケ、3,4位がロータス・ホンダのアイルトン・セナと中島悟と、1~4位をホンダエンジンが独占しました。
日本でF1が大ブームになるのもこの頃でしたね。懐かしい。。。。
キットは1/43キット界の帝王・TAMEOのフルディテールキット。
もちろんマンセル車で作ります。
今回は全体の仮組み。
メタルやレジンのキットは部品の取り付け位置を自分で割り出して、穴を開けて、ひとつづつ付けていかなければなりません。
仮組の目的は車体の車高とホイールアライメントの割り出し。
穴の位置を間違えると、あとでタイヤが接地しないとか、カウルが閉まらないとかの大事件が発生するので、最初に仮組みをしてからバラシて、再度組み立てるという手順を踏みます。あぁ、面倒くさい。。。
過去記事はこちらからどーぞ♪
メタルキットの作り方Williams FW11b・最初の一歩
メタルキットの作り方Williams FW11b・ウイング修正
メタルキットの作り方Williams FW11b・地味な作業ばっかり
カウルの隙間確認
フルディテールキットの場合、エンジンなどの中身を盛っていくと「あー、蓋がしまらん!」という事態になったりします。
ですんで、エンジン回りの部品でカウルと当たりそうな部品を組んで、カウルが閉まるかどうかを確認します。前回のフェラーリ333SPのキットは、これで大苦労したんですよね。
これも塗装をすると塗膜の厚みで変わったりしますから、100%じゃないんですけどね。
アンダートレイとボディとエンジン・ミッションを少量の瞬間接着剤でつけて、カウルと当たりそうなところにマスキングテープを巻いたものを乗せて、カウルとエンジンの間にどの程度の隙間があるかを見ます。
このくらいならちゃんと閉まるようですね。
けっこう余裕がありそうで一安心です。サイドポンツーンは前回仮組みしたので省略。
ホイールの作製
まずホイールを組みます。
ホイールは二つの部品に分割されていて、それでスポークのエッチングパーツを挟み込むのが一般的。
F1カーですから前後のホイールは厚みが違いますんで、どの子とどの子がお友達かを判別しなきゃいけません。
ペアがわかったらスポークをセットしてゴムのタイヤに押し込みます。
上の二つがリアホイール。下がフロントホイールですね。
サスアームの加工
サスアームはエッチングパーツで、ホイールとディスクブレーキが付くアップライトはホワイトメタル製です。
このアップライトの上下にサスアームを固定するわけですが、エッチングパーツは金属板を表裏から酸で溶かして作るので、真ん中にバリが残ります。
ピンセットで挟んだサスアームの真ん中に線になっているのがバリで、これをヤスリで削ります。
また、このままではサスアームがいかにも「板!」で繊細さの欠片もありません。
ですんで角を落として実車の翼断面に見えるようにヤスリで加工します。
左が加工済み。ちょっと繊細に見えるでしょ?
取り付け部も丸棒に見えるように削りました。
リヤのサスアームはウイッシュボーン(V字の部分)とトラックロッドが一体になっています。
トラックロッドは丸棒なので真鍮線に置き換えてハンダ付けしてもいいのですが、今回はこれもヤスリで丸棒にみえるように削りました。
ピントが甘くてわかりづらいけど、左が加工済みです。
こういった加工をするには細いヤスリが必要で、私は幅2.7㎜のミネシマの精密ヤスリセットと、文盛堂の針ヤスリ0.8㎜を愛用しています(上の写真の黒い棒がそれ)。
特に針ヤスリは平面を出すにも穴の内側をさらうにも使えるので、とても重宝しています。
針ヤスリは0.8㎜が見つからなかったんで、同じ文盛堂の針ヤスリ1.5㎜のリンクを貼っておきます。
先端が先細りになってるので1.5㎜でも同様に使えます。
アップライトの組立て
つぎは加工済みのサスアームをアップライトに取り付けます。
アップライト周りの部品だけでこんなにあります。
やっぱりサスアームを削ると見映えが断然良くなりますね。
左がリヤ、右がフロントで、作業としてはアップライトにホイールシャフトを通したブレーキディスクを接着し、そのアップライトを上下からサスアームで挟み込みます。
キットではサスアーム端の穴にアップライトのダボを入れて接着するようになっていますが、逆にアップライトに穴を開けて、サスアームとアップライトを虫ピンで止めるようにします。その方が後々の組立てが楽ですからね。苦労は先にしろ、ですw
と、その前にフロントのサスアームに部品を一つつけ忘れていました。
このコの字型のエッチングパーツ。プッシュロッドの受けです。
これをウイッシュボーンの根本に付けるんですけど、接着剤だと剥がれて落として紛失しそうなんでハンダでつけます。
やり方は前回説明したディスクローターの貼り合わせ方と一緒。
まずウイッシュボーンの根本に融かしたハンダを塗って、その上に部品を置いてウイッシュボーンにハンダコテを当てて、熱伝導でハンダを融かして接着します。
ついでに取付穴も虫ピンを通すには大きすぎるので、一度ハンダで埋めてから0.4㎜の穴を開けます。当然ですがアップライトもダボを削って0.4㎜の穴を開けておきます。
こんな1㎜くらいの部品のハンダ付けは大変そうに思えますが、やってみると割と簡単。
ハンダ付けのコツは脱脂とフラックスですが、実は前回紹介した温度コントローラー付きのハンダコテを買っちゃいました。
これを使ったらですね、今まで何を苦労してたんだろうと思うくらいハンダ付けが楽になりました。
ハンダ付けのコツは良いハンダコテを買う!でした(笑)
まずすぐに予熱できるのがいいです。
細かく温度コントロールができるのでハンダの融点ギリギリでハンダ付けができる。ということは最初に高融点のハンダ付けをして、次に低融点のハンダを付ける、なんてこともできるんですね。ウイングのハンダ付けなどで重宝しそうです。
それに今回のように地金を温めて塗ったハンダを融かすなんて時も最高温度の500℃でやれば簡単です。
このハンダはプロの間でも定評があるみたいで、良い買い物でした。
話をもどして、このサスアームとアップライトを虫ピンで繋ぐんですが、使うのは00号の有頭虫ピンです。
軸の太さが0.3㎜、頭が0.5㎜弱(実測)です。まだディテールアップパーツのリベットなんて無かった頃は、この虫ピンの頭を使ってリベット代わりにしたものです。
虫ピンはステンレス製なので、ステンレス用のニッパーが必要です。プラモデル用で切ると一発で刃がダメになります。
虫ピンは志賀昆虫の00号です。
組み上げるとこんな感じになります。虫ピンの頭がボルトの頭みたいで良い感じでしょ?
組立ては虫ピンの入る穴に瞬間接着剤を入れて接着すると、サスアームの取り付け角度が自由に調整できて仮組には便利です。
最終組み立ての時にはアップライトとサスアームをエポキシ接着剤でガッチリ固定して、ホイールが動かないようにしますけどね。
やっと仮組
サスアーム周りができたので、サスアームの取り付け位置を割り出してボディとの仮組をします。
ホイールは少量の瞬間接着剤をつけてマスキングテープで巻いて固定。
ボディの下には0.5㎜のプラ板を2枚重ねで貼って合計1㎜のクリアランスにしました。
これで前後のロアーウイッシュボーン(下側のサスアーム)を取り付ける穴の位置を確認します。
方眼紙の上でやると左右の微妙なズレも確認できます。
前回作ったフェラーリ333SPのキットは、この位置決めに超苦労しましたが、今回はさすがに帝王TAMEOのフルディテールキット。
ボディ表面に目安で打ってある刻印と完全一致でした。
もうね、これだけですんごく嬉しいの(笑)
で、サクっと0.6㎜のドリルで穴を開けてサスアームをとりつけたら、一発でピッタリハマってカウルもピッタリ!!
部品もほとんど修正不要で、まるでプラモデルみたい(笑)
前から見たてもピッタリ
後ろから見ても。。。。。変ですねw
これは車体が低すぎて後輪がハの字になってます。暴走族のローレルじゃぁないんだから、これはあり得ませんね。
対策は簡単。車体後部にプラ板を入れて少し持ち上げてやればいいだけです。
はい。これでピッタリ。
横からみてもバッチリ。
サイドポンツーンのカウルも乗せてみた。
方眼紙でホイールとボディの距離を測っておけば、ウイング位置は車体との相対位置であわせられるから大丈夫(たぶんw)。
仮組が終わると、もう半分できたような気がしますねー。
今回の作業は6時間くらいで終わりました。
もう信じられないくらいラクチン。さすがTAMEOは神キット。モデルファクトリーヒロはもっとスゴイ精度みたいですね。作ってみたいなぁ。
1/43のキット作りを成功させる秘訣は「良いキットを選ぶこと!」
これに尽きますな。
そして全ては元の木阿弥
仮組が終わったら、もう一度全部をばらします。
エンジンもコクピットも剥がして元の木阿弥。
虚無感に襲われる瞬間です。
サスペンション周りの細かい部品は紛失しないようにピルケースに厳重保管。
必ず数を数えて確認しましょうね。部品の紛失がなにより怖いですから。
アセトンのドブ漬けでバラすのでハンダ付けしたところは剥がれません。
どこまでバラすかを考えてハンダ付けするところと接着剤で付けるところを分けるのがコツかな。
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