ミニカー昔話・悪魔のキット

昔、ポルシェより、フェラーリより、R32GTRよりも速い「悪魔のZ」と呼ばれるS30フェアレディZの漫画がありました。

って関係ないです。

いま製作中のTAMEOのウイリアムズ・ホンダFW11bは神キット!と言いましたが、それとは真逆の「悪魔のキット」の話です。

それがこれ。イタリアのFDSというメーカーのキット。

1981年にジル・ビルニューヴとディディエ・ピローニという因縁深い二人がドライブしたフェラーリの126CK。
カッコいいですよね。しかもカウルを外すとフェラーリ製1.5Lターボエンジンから、フロントサスペンションまで丸っと見えるフルディテールキットです。

で、実際のキットがこれ。

エッチングパーツや旋盤加工部品はホイールだけ。
あとはサスペンションからロールバーから何から何まで柔らかいホワイトメタルの鋳造でできてます。

細かい部品は、もはや部品なんだかゴミなんだかわかりません。

で、この作製解説がこれ。

めっちゃ潔いです。

このメーカー、イタリアはナポリにあるんですけど、いかにも太陽が照り付け海が輝くナポリタンな雰囲気ですね。
これで、あの作例写真のようなものを作れと云うおおらかさも素敵です。

キットの裏には作成者の名前が手彫で刻まれています。

左の人は知りませんけど、右はあの伝説の1/43ビルダーのヴィンセント・ボシカ氏のサインですね。
原型作製日は81年7月。

精密なフルディテールモデルを作り、そのキットを販売することで有名になったボシカ氏。
この頃からフルディテールキットを作ってたんですね。外観だけのキットしかなかった1/43モデルの黎明期に、これだけのフルディテールキットを作った情熱は天才としか言えませんね。キットを買った人にとっては天災ですけど。ちなみにお値段は7500円。

でもね、当時はこんなキットでも「おぉ、すごい!」って思ったんですよ。
車体のプロポーションはとても雰囲気が良いし、外観だけのプロポーションキットを切り刻んで、中身をゼロから作るよりは各段に楽ですからね。

そう。このキットってフォルムが凄く良いんですよ。さすがボシカ原型。
だから「いつかは作るー」って思って、諦められないんですよね。
その変が悪魔的w
実際にプロのフィニッシャーはこのキットから素晴らしい作品を作っていますしねー。

当時の1/43は、キットは単なる素材で、いろいろな部品を素材から作り直して自分なりの工作方法で完成させるもの、という考えが普通で、そこに魅力を感じたんですね。
こんな作例も、最初から内部部品がキットに用意されていたものじゃありませんからね。
自分でカウルを切り離して中身は他のキットからの流用や、素材からの自作でつくられています。
だから1/43を作る人は、何をみても「あ、これ、あそこに使えそう」って考えるのがクセになってたりしますw

当時のプロ・フィニッシャーは模型用旋盤で部品を自作してましたが、今では3Dプリンターを駆使してスゴイものを作っていますね。
私みたいなアマチュアは手作業でシコシコ作ってますけど。

このFDSキットを私が買ったのは88年頃ですかねぇ。
それからず~っと、いつか作ろうと思って現在に至っております。

いまだに作れる自信はありませんが(笑)

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