まだコツコツとミニカーを作ってます。
ボディとエンジン回りはあらかたできたので、これから細部の工作。
今回はシートベルトの作製です。
なんでシートベルトを作るの?
全長10㎝にみたない1/43サイズのミニカーですから、シートベルトの幅は2㎜もありません。
キットの中には一応、真鍮のエッチング製のシートベルトの部品が入ってるんですが、これだと布の質感がでないんで自作するんです。
それに、このキットにはシートベルトのロゴのデカールが入っていないので、これも作らなければなりません。
シートベルトのディテールアップ用に布製のものが単体で売られてたりします。
左のStudio rossoさんのものは布製のシートベルト(一色)とエッチングの金具のセット。Acu-Stionさんのものは3色分の布地とデカールが入っています。どちらも1セットでシートベルト2つ分ですが、お値段は倍以上違います。品質はどちらも甲乙つけがたい高品質。
いずれにしても幅2㎜に満たない金具を切り出して磨いて、そこに布を通して、デカールを貼って、という変態マニア作業のためのセットですね(笑)
今回は自作で
ごく少数の変態さんしかいないマーケットなんで、こういったアフターマーケットの部品は「マニアが自分が使うために作った余りを売っている」感じで、安定して供給されるものじゃありません。
見つけたら買っておかないと、すぐに「在庫無し・再入荷未定」になっちゃいます。
シートベルトの部品も市場在庫がほとんど枯渇しているので、将来、供給がストップしてもいいように、今回は販売されている部品を使わずに、自作にトライしてみます。
トライというか、こーいった部品が売られるようになる前は、みんないろんな素材で工夫して自作してたんですよね。30年くらい前の昔話ですけど(笑)
まずベルト部分の作製。
釣りの重りに使う板鉛をシートベルトの幅に切り出します。ワインのコルクを密閉している鉛板とかも使えます。
このままだとツルツルで布っぽく見えないから、表面を布地っぽくしてやります。
ナイフの柄のギザギザを押し付けて、鉛板の表面に模様を付けます。
完全にオーバースケールですが、雰囲気が伝わればOK。模型だからデフォルメは必須です。
シートベルトの金具は、キットのエッチングパーツについている金具部分を切り出して流用しますが、ショルダーベルトの金具だけは自作しなければなりません。
これはホチキスの針をグニグニ曲げて作ります。
一発では決まらないので、いくつも作って、出来の良いやつを選びます。一つ作るのは簡単ですが、手作業で同じものをペアで作るのは難しいです。数で勝負しかありませんね。
荷重がかかる部品じゃないので、なるべく柔らかい金属線を使うのがコツ。糸半田を使っても良いかもしれません。
で、一応こんな感じになりました。
ベルトっぽいでしょ?
ウエストベルトや股のベルトも同様に作ります。
塗装と接着
塗装はメタルプライマーを塗った上からプラモデル用の塗料を塗れば良いだけです。
塗装してから曲げると塗膜が剝がれてしまうので、シートに押し付けて変形させて瞬間接着剤で接着してから筆塗りします。
バックル部分はキットのエッチングパーツを切って貼り付けてます。
表面が凸凹していて、なんとなく布地っぽくみえるでしょ?
シートにピッタリ貼り付けるのではなく、グニグニ曲げてやると布っぽい感じがでます。
下の一円玉で大きさを推測してくださいね。
デカール作製
シートベルトの肩のところにはロゴが入ってます。
今回使うWillansのシートベルトはこんな感じ。
これのデカールがキットに入ってない時は自作しなければなりません(今回がそれ)。
デカール作製はエーワンの転写シールを使って自宅のインクジェット・プリンターとお絵描きソフトで作れるんですが、幅1.5㎜のシートベルトなんで文字が作れるのか心配です。
今回使ったデカールのシートはこれです。
白地、透明の2種類があり、さらに染料専用と染料・顔料対応の2種類、計4種類があるので用途と自宅のプリンターのインクタイプに合わせて選んでください。
これで作ったデカールは隠蔽力が弱くて、透明だと下地の色が透けて発色が悪くなるので、私は白地を使っています。
パワーポイントで黒地に白文字で「Willans」を縦書きにして、一度「図として保存」でjpeg画像にします。それを再度パワポに貼り付けて、画像サイズを幅1.8㎜に指定します。
Willansのロゴの字体だと細すぎるので、Arialの太字など、太いフォントで作ります。読めなきゃ意味ないですからね。
ついでに他のモデルでも使いそうなマークも作って最高画質で印刷します。
ちゃんと読めるものができました。
幅1㎜のお馬さんマークも識別できます。
すごい!
あ、言い忘れましたが、転写シールなんで印刷時には鏡像で印刷してくださいね。
デカール貼り
ここまでは特に問題ないんですが、このデカールを貼るのがちょっと厄介かも。
まず小さすぎて切り出すのが大変です。
新品の刃をつけたデザインナイフでスッパリ切ってやらないと切断面がヨレヨレになります。
説明書には「デカールの周囲を1~2㎜あけて切り出す」と書いてありますが、今回はデカール自体が1.8㎜なんで、デカールの大きさギリギリで切り出しました。
そして糊面を貼り付けるんですが、プラモデルのデカールのように台紙から浮き出たデカールを貼るのではなく、台紙ごとデカールを押し付けて貼るので場所決めがやりづらい。これが一番の難点だと思います。
デカールを台紙ごと貼って、接着面が馴染むようにピンセットの先でつつきます。
貼るところが平滑面ならばヘラで押し付ければいいんですが、相手が凸凹なんでつついて圧着。
水で濡らした筆で台紙を濡らすと、台紙は簡単に剥がれます。
ちょっとずれましたけど、サイズを考えれば上出来でしょう。
これだとプリンターの染料がむき出しなので、上から水性クリアを塗って保護しておきます。
これでシートベルトの完成です。
ちょっと考えた
この転写シールって、台紙に吹き付けた染料を糊のシートに接着して、それを貼り付けるものですね。台紙に印刷した状態で糊シートを付けずに水に濡らすと染料が浮いてバラバラになります。
これって古くなったデカールを水につけると崩壊するのと同じ原理じゃないでしょうか?
あれは、デカールの表面を覆っているクリア塗料の塗膜が劣化して、デカールがバラバラになるんですよね。それを防ぐために古いデカールを使う時は、デカール修復剤を塗ってから使うのが模型マニアの常識です。
デカール修復剤は、こんなものです。成分は水性クリアと同じですが、これはフィルムが薄くてもしっかりしているので愛用しています。
ということは、この転写デカールを台紙に鏡像印刷せずに、そのまま印刷して、その上からデカール修復剤を塗って透明フィルムを作れば、普通のプラモデルのデカールのように使えるんじゃないでしょうか?
ただ、白が印刷できないのと隠ぺい力が弱いので、白を表現するときや、黄色や赤などの隠ぺい力の弱いデカールを貼る時には下地を白で塗っておく必要がありますね。
あとデカールの裏に糊がないので、木工ボンドを水で薄めた糊を塗ってやらなければなりません。
次の機会にはそれにトライしてみようと思います。
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