このTAMEOのWilliams FW11bのフルディテールキットは、ハンガリーGP仕様が先に発売されて、後からイギリスGP仕様が追加されたんです。
で、マンセル大好きの私としてはマンセルが大嫌いなピケが優勝してマンセル14位だったハンガリー仕様じゃなく、マンセルが怒涛の追い上げでピケをぶち抜いて優勝した母国・イギリスGP仕様を作りたいわけですよ。
というわけで、大枚はたいてイギリス仕様を追加購入したんですね。
。。。。。。。ところが世の中、そんなに甘くなかったというお話です。
前回記事はこちら
メタルキットの作り方Williams FW11b・最初の一歩
レースごとに違うのよ
両方のキットをよーく見比べてみたら、単にデカールだけが違う、いわゆる「デカール替え」でした。
レースに詳しい方はご存じだと思いますが、レーシングカーってレースごとに毎回違うんですよね。
フェラーリ126C4みたいにシーズン中に開発が進んで最初と最後で全くの別物となることもあります。
外観はほとんど変わらない時も中身は細かく変わっています。
特にウイングは高速サーキットなら空気抵抗を減らしてトップスピードを稼ぐようにセッティングしますし、低速サーキットならグリップ重視のセッティングにするんで、ウイング形状はレースによって大きく異なります。
本当はスピードの出る高速サーキットではウイングを効かせてグリップを安定させたほうが安全ですが、グリップを減らす危険と引き換えに空気抵抗を減らし、最高速を求めないと勝てないんですね。
腕と度胸が勝負の高速サーキット。やーモータースポーツのロマンを感じますね。
実車はこんなに違います。
どっちもピケ車ですが、左がイギリスGP、右がハンガリーGPです。
Canonの文字の見え方で上部のウイングの角度が違うのがわかりますね。右の方が立ってます。
ウイングの枚数も左は4枚、右は5枚。左のほうがウイングの真ん中がすっきりしてるでしょ?
キットは最初にハンガリーGP仕様で出たんで、イギリスGP仕様も右のウイングのままになっています。
余談ですが、当時のイギリス、シルバーストーン・サーキットは今と全然違う形の超高速サーキットだったんです。
今は右下のClubコーナーから左下のWoodcoteの間が、もっとグニャグニャになってますが、当時はヒトデ型の超単純レイアウト。
Brigeシケインが追加されるまではヘアピンみたいな低速コーナーは一つもありませんでした。
だからウイングは寝かせて枚数も減らして空気抵抗を減らした最高速セッティングなんですね。
これに対してハンガリーのハンガロリンク・サーキットはこんな感じの低速サーキットなんで、ウイングを立てて枚数も増やしてグリップ優先にしています。
こんだけ違うサーキットだから、ウイングのセッティングは大幅に違うのが当然です。
でもキットは両方ともハンガリーGP仕様の共通部品。
デカールだけ替えてもウイングが違うんじゃ、マンセルファンとしては納得できませんよねー。
なおしましょう!
ぐだぐだ考えていても勝手にイギリスGP仕様にはならないんで、すっぱりと心を鬼にしてウイングを修正しましょう。
組立て説明書の実車写真をみると
左のイギリス仕様はメインウイングが翼端板のCannonのステッカーの位置にあります。
右のハンガリー仕様ではメインウイングがCannonのステッカーの下にあります。
上のウイング(Cannonステッカーの貼ってある白い部分)は、イギリス仕様だと45°くらいですが、ハンガリー仕様だと70°くらいあるように見えますね。
つまりメインウイングの位置を上にあげてトップのウイングを寝かせて、真ん中のウイングを1枚減らせばいいってことですね。
取り付け位置修正
まずメインウイングの取り付け位置を上にずらします。
ウイングをはめる翼端板の凹みが使えなくなるので、位置を決めてピンでとめるようにします。
まずはピンの穴開け。
左右の翼端板を微量の瞬間接着剤でくっつけて同じ位置に0.5㎜の穴を開けます。
この翼端板の穴の位置をウイングに写し取ってウイングに0.5㎜の洋白線を埋め込めば、ウイングを正確に上にずらすことができます。
一番下のウイングをはめる溝以外は不要なんでハンダで埋めて磨けばできあがり。
次に翼端板を両面テープでノギス付けて、間にウイングを入れてハンダ付け。
ノギスに挟むハンダ付けの方法は以前の記事で説明しているので、そちらをご参照ください。
レジンモデルの作り方・ウイングのハンダ付けとか
と、ここで失敗(笑)
メインウイングはエッチングパーツじゃなくて、ハンダの親戚みたいな素材のメタルでできています。
エッチングパーツをハンダ付けする時は、パーツ同士の間にハンダを流し込めばいいんですが、メタル部品の場合は部品側もわずかに融かして、コテのハンダと混ざるようにしないと溶着しません。
これをやってる時にウイング後縁部の薄いところに融けたハンダが回って、右側の後縁が溶けちゃったんで、その分もハンダを盛っています。
左のようにウイングの厚い中央部分だけハンダ付けするつもりだったんですけど、ハンダコテの陰になってて見えなかったのね。
まぁ、このくらいは良くあることなんで、慌てず騒がずハンダを盛ってヤスリでカリカリ削ってサンドペーパーで磨いて修正します。
溶けて凹んだ後縁部が復活しました。ハンダって便利♪
ちょっと窪んでるところはパテで埋めれば大丈夫。
どうせウイングの裏側ですから見えやしません(笑)
ウイング修正完了
Cannonのステッカーを貼る一番上のウイングはメインウイングの上に乗るんで翼端板には瞬間接着剤で接着すれば大丈夫。ハンダ付けの必要はありません。
この部分だけ白なんで塗装して後から接着するほうが合理的ですしね。
最初の取り付け位置の窪みと比べると、かなり寝てるのがわかりますね。
これでイギリス仕様のウイングになりました。
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