超簡単・格安!石窯の作り方・一室型石窯の作製

私が格安で作った一室型石窯の作製記録です。

内容は

設計
材料
・土台の作り方
・火床の作り方
・ドームの作り方

・作成費用

についてです。石窯についての基礎知識は以前の記事をご参照ください。

・超簡単・格安!石窯の作り方・基礎知識編
・超簡単・格安!石窯の作り方・実用性を考えよう

設計

設計コンセプトは「作るのも使うのもお手軽な石窯を格安でつくる」です。
お手軽・格安で作れるように耐火レンガの使用は最小限にとどめました。
そして、お手軽に使えるようにドームの容積を小さくして、少ない薪や炭でも十分な温度が確保できるようにしました。特に天井が高いと熱効率が悪いので天井を低めにしてあります。
一室型は火床と調理場所が同じなので、30㎝のピッツァを1枚焼くのにこのくらいの大きさが必要です(上手くやれば2枚同時に焼くことも可能です)。

開口部はダッチオーブンを入れるために高さを確保していますが、ピザを焼くときには上部をふさいで保温性を高めます。

材料

石窯の内部は500℃以上になるので、火を焚いたり調理をする箇所では耐火・耐熱性のある材料を使わなければなりません。

レンガ
普通の赤レンガは200~300℃の熱が加わると割れる危険があるので、表面温度が500℃を超える石窯では耐火レンガを使います。
ホームセンターで良く売られているのはSK32規格の耐火レンガは1200℃の耐火性能を持っています。
その他にも900℃くらいの耐火性能を持つ焼き過ぎレンガがあるので、石窯ならばこれでも大丈夫です。

耐火コンクリート
普通のセメントは耐火性が無いので、耐火レンガの目地や火床やドームを作るには耐火コンクリートを使います。耐火コンクリートは普通のセメントのように自然乾燥で固まり、その後に熱を加えることで完全に硬化するので扱いが簡単です。AGCセラミックス株式会社の「アサヒキャスター」が最も一般的に使われています。
アサヒキャスターにはコテ塗り用のCA-13Tと、流し込み用のCA-13Sがあります。
コテ塗りで壁や火床を作る時にはCA-13Tを使い、型枠に流し込んで焼き床を作る時にはCA-13Sを使います。CA-13Sは流し込み用といっても、普通のセメントのような流動性は無いので狭い隙間に流し込むような使い方はできません。
今回はコテ塗り用のアサヒキャスター13Tを使いました。

注意が必要なのは「耐火モルタル」です。耐火モルタルは熱を加えないと固まらないので扱いが難しいです。石窯の作製に耐火モルタルを使うことは無いと思ってよいでしょう。間違えて「耐火モルタル」を買わないようにご注意ください。

土と石
土や石を用いて耐火レンガや耐火セメントを使わずに石窯を作ることも可能です。
土を使うのは昔からの竈づくりと同じです。土は赤土、火山灰土、粘土を使います。腐葉土は使えません。土に短く切った藁と水を混ぜて均一になるまで練ります。それを一か月ほど寝かせて藁の繊維が分解して粘りがでてきたものを使います。
石は耐熱性のある凝灰岩や大谷石を使います。熱すると割れる性質の石も多いので、石の選び方に注意が必要です。
特にこだわりがなければ、普通に耐火レンガと耐火コンクリートで作るのが、一番お手軽です。

基礎・土台の材料
石窯の基礎や土台のように直接火があたらない部分は、普通のブロックや石、砂、土などで大丈夫です。

土台の作り方

土台はコンクリートと建築用ブロックなどで作れますが、今回は格安コンセプトなので、あり合わせのもので作りました。

まず石窯を設置する場所の地面を整地して、丸太などで叩いて突き固めます。手前に干してある芋は関係ありません(笑)

次に拾ってきた石を組んで、中に石や土を詰めていきます。組んだ石の間は粘土で埋めています。

最後に砂を5㎝くらいの厚さで敷して突き固め、ざっくりと水平を取ります。

火床の作り方

今回は一室型なので火床と焼き床は同じになります。

まずレンガを敷きます。ここでは建築現場に廃材で捨ててあった歩道用のカラーブロックを敷いています。これは耐熱性が全くないものですが、床面は天井よりも温度が低く、この上に耐火コンクリートの層を作るので問題ありません。

歩道ブロックを耐火コンクリートで固めます。ここではアサヒキャスターCA-13Tを使い、厚みは約3㎝にしました。

一晩おいて固まったら、上で焚火を焚いて完全硬化させます。掃除が楽になるように、手前に向かって若干の勾配をつけています。

ドームの作り方

まずは開口部を作ります。
アーチの受けになるように、左右の壁の上端内側をグラインダーで削ってウケを作っておきました。

適当な合板などで方を作って耐火レンガのアーチを乗せて、隙間をアサヒキャスターで埋めます。
両側の壁の高さは耐火レンガ1個半で約18㎝です。

作業中に触って壊れるとイヤなので、これで一晩放置して固めます。

次にドーム本体の作製です。
まずは設計図に従って耐火レンガを並べて、その内側に砂山を作ります。
全部砂だと後で掻き出すのが大変なので、適当なものを中心に置いて、その上から砂をかぶせます。
当然ですが開口部から取り出せない大きさのものを入れてはイケマセン。

砂山ができたら上から濡らした新聞紙を貼り、その上からアサヒキャスターを張り付けていきます。
この時のコツは、団子にした後にパンパン叩いて気泡が混じらないようにすることです。気泡が混じっていると、気泡が熱で膨張してひび割れの原因になりますからね。
画像では素手で作業していますが、必ずゴム手袋をして手を保護してください。アサヒキャスターはアルカリ性なので皮膚によろしくありません。

全体に貼り付けたら叩きまくってコンクリートを締めます。
ゴム手袋をしてくださいね。それに作業時はサンダルではなく靴を履きましょう(笑)
手ではなく板などで叩いたほうが、より文明的です。

アーチ部分を覆うまでアサヒキャスターを張り付けました。
厚みは天井が薄く下になるほど厚くなるようにするのがコツです。だいたい3~5㎝の厚さになるようにしました。

これで1日放置した後に、中のガラクタと砂を取り出して数日間乾燥させます。
雨が当たらないように(沖縄は通り雨が多いので)防水シートをかぶせておきます。

よく乾かしたら待望の入火式!
最初は入り口で小さな火を起こしてからドームの中に移動します。
完全に硬化させるために、何回かに分けて火入れを行います。
最初は小さく、だんだん大きな火にしていかないと、せっかくのドームにヒビが入るのでご注意ください。

何度が焚火をしてドームにヒビが入らないようなら試運転です。

ピザパーラーが無いので、間に合わせの鉄板に乗せて焼いてみましたが、

美味しそうなナポリ・ピッツァが焼けました!

この石窯は作って6年経った今でも元気に稼働しています。
その後に、手前にスペースがあった方が便利なので土台を拡張して、雨に当たっても大丈夫なようにドームの上に防水セメントを被せました。

使いながら改良を重ねて成長させるのもDIYの楽しみですね。

作成費用、まとめてハウマッチ?

15個使った耐火レンガは貰い物だったので、結局はアサヒキャスター3袋で15,000円。あとはお手伝いしてくれた方々のビール代だけでした。

このサイズの一室型でも、市販のキットは10~20万もするようなので、1/10でできたわけです。
作製期間は約1週間。といってもアサヒキャスターが乾くのを待っていた時間が長いので、実作業日は3日程度でした。
これなら手間も時間もコストも「お気軽」な範囲で石窯が作れると思います。

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