超簡単・格安!石窯の作り方・実用性を考えよう

前回の「基礎知識編」で石窯の基本原理と、一室型と二室型それぞれの特徴を説明しました。
今日は、作るのも使うのも超簡単・お手軽な石窯の実例を3つご紹介します。
これで、もっと石窯を身近に感じてもらえたら嬉しいです。

石窯というと、こんな立派な物をイメージされる方が多いと思います。

間口が幅50㎝×高さ30㎝。調理室の内径は幅70㎝×奥行90㎝くらいですね。
かなり大きな石窯で、耐火レンガを200個くらい使っているのではないでしょうか。

これだと作るのも大変ですし、予熱にも大量の薪が必要です。

私の友人が、これよりも少し小さめの石窯作りましたが、これでもピッツァを焼くには2~3時間の予熱が必要でした。

この友人はカフェの経営者で、石窯ピッツアをお店の目玉にするつもりで作ったのですが、注文数の割に燃料代がかさむので結局はやめてしまいました。

一度にピッツァを10枚以上も焼くイベント・パーティー用には良いですが、日常的にピッツァやパンを焼くためには、こんな大袈裟な石窯はオーバースペックです。
普段使いをするならば30分~1時間程度の予熱でピッツァを焼き、カンパーニュのようなパンを2つくらい焼ける石窯が一番使い勝手が良いでしょう。
小さな石窯でも、ピッツァを焼く時間は2~3分なので、生地を作る人と焼く人の流れ作業にすれば、パーティー対応も可能です。

燃料にする薪が豊富に入手できて、大人数でのパーティーを頻繁にやるのでなければ、気軽に使える実用本位の石窯を作ったほうが良いと、私は思います。

まずご紹介するのは、材料費ゼロ円のこれ。

石窯というよりも泥窯? 
原始人的なワイルドさの溢れる石窯です。

構造は普通の二室型なんですが、近所の山のから粘土を掘り出してきて、コネて積み上げた石窯です。
炭焼きの窯も山の灰土や粘土と凝灰岩で作りますから、粘土は窯にはピッタリな素材なんです。
火床と調理室を仕切る焼床は、工事現場でもらったスレート岩の切れ端。耐熱性が心配でしたが、特に問題なく使えています。

開口部はダッチオーブンが入るように、幅25㎝×高さ18㎝にしました。
焼き床と調理室の両方で30分くらい薪を燃やせばピッツァが焼ける温度になります。
その後は予熱でパンを焼いたり、ダッチオーブン料理をしたり、汎用性の高い石窯です。

こっちは、もう少し進歩した感じの石窯。
これも構造は二室式ですが、材料は貰い物の建築用ブロックと耐火コンクリートと普通のセメントと粘土だけ。耐火レンガは使っていません。

開口部は幅35㎝×高さ15㎝。内径は直径50㎝の円形です。
まず、建築ブロックを凹型に積んで、その内側を粘土で固めて火床を作りました。
その上に型枠に入れて板状に固めた耐火コンクリートを載せて焼き床にします。
さらに、その上にドーム形に盛った土の上から耐火コンクリートをペタペタと貼って、耐火コンクリートが固まったら中の土を掻き出して調理室の完成。

耐熱性が低い建築ブロックや普通のレンガは石窯には使えないと思われていますが、火と接する面が耐火コンクリートや粘土で覆われて断熱されていれば問題ないんです。調理用の窯なので溶鉱炉のような高熱になるわけじゃないから大丈夫なんです。
この石窯の材料費は耐火コンクリート3袋で1万5千円くらいでした。

最後に紹介するのは一室型。
これは耐火レンガを使ってます。近代的!(笑)
実は、沖縄の家に作った私の石窯です。

とは言っても耐火レンガを使っているのは開口部だけ。
あとは廃材と耐火コンクリートで作った石窯です。
ドームは土を盛った上から耐火コンクリートを貼り付けて、固まった後に中の土を掻き出すという、一つ前の石窯と同じ方法です。耐火コンクリートの上に粘土を貼ってます。
土台は工事現場で掘り出してた石を貰ってきたもの。
材料費は耐火コンクリート3袋で1万5千円。耐火レンガは貰い物です。
この石窯の良いところは、小さめの一室型なので、薪ではなく炭を燃料に使えることです。
回りに家があるところでは煙の出る薪は使えないので、このような石窯じゃないとダメですね。

次回は、この石窯の作り方をご紹介します。

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