ミニカーでデフレを考える(笑)

しょーこりもなく、新しいキットを購入。

ちょっと前に「フォードvs.フェラーリ」という映画の敵役となったフェラーリ330P4という車です。

モデルファクトリーヒロ(MFH)という日本のメーカーが作ったキットですが、内容がこれ!

スゴイ精密度のフルディテールモデル。
今作ってるフェラーリ333SPのフルディテール・キットとは比べ物になりませんね。
まぁ、こちらのキットは30年くらい昔の骨董品ですが(笑)

この膨大な量の鋳造部品!

これはメタル3Dプリンターで作ってるんでしょうか?

エンジン関係は3Dプリンター製ですね。すごい精密度です。
タイヤのロゴもすでに印刷済み。タイヤの直径が1.5㎝程ですから、スゴイ精度ですよね。

エッチングパーツは逆に少な目。

エッチングには全てにパーツ番号が振ってあります。
組み立て図がタミヤのプラモデル並みの精密さで、これに対応するためのパーツ番号ですね。

333SPの説明書とはエライ違いです(笑)

箱も従来とは色合いを変えてフェラーリレッドになってます。気合が入ってますね。

で、なにより驚くのが、そのお値段。
正価18,000円!

「たっかー!」
と興味の無い方は思われるでしょうけど、この内容のものが18,000円って、すごくないですか?
しかも、こんな物を買うのはよっぽどの変態模型マニアですから生産数も限られています。生産数は多くても1000個くらいなんじゃないかなぁ。すぐに品切れになっちゃいますから、想定購入者数ギリギリの数しか作っていないはずです。

1000個売れても1800万円ですよ。
これだけの精密模型のリサーチ、設計、製図、製造、包装の全てをやって売り上げ1,800万円。

私たち顧客側からしてみれば、本当にありがたいことですが、それでいいのかな、という気持ちにもなります。

例えば比較に出した333SP のキットも大差ない値段なんですよね。しかも30年前で。
当時、MFHレベルのキットは、日本のMake Upというミニカー専門店がやっていたSuperial Modelか、イタリアのVincent Bosicaさんが個人工房で作ってるものだけでした。

どちらも7~10万円くらいだったと思います。
Bosicaさんのはもっと高かったかな?

その後にFeeling43という精密キットメーカーが出てきたんですが、それも7,8万円。
おなじフェラーリ330P4 のキットを持っていますが、怖くていまだに作れません(笑)

この手のキットの最大手であるイタリアのTAMEOが、フルディテールモデルを2万円を切る値段で出していますが、TAMEOは外観だけのプロモーションモデルや完成品をOEMで販売しているので、その利益で補っているんでしょうね。

そう考えるとフルディテールの精密模型を中心にしているMFHは、本当にスゴイと思います。

でも、この内容のキットが2万円以下で買えるのは、本当に嬉しいことなんですが「本当にそれでいいのかなー」って言う気もしてくるんですよね。
本来はもっと価値のあるものだと思うんで、やはり価値に見合った価格で販売して、しっかりと利益を確保して、将来にわたって継続できる企業としての体力をつけてくれるのが本来の姿じゃないのかなーと。

日本経済がデフレスパイラルから抜け出せないのは、価格競争で市場シェアを争ううちにどんどん低価格化が進んで、物の価値と価格のバランスが異常な状態になったからだと思うんです。

海外の企業は「良いものは高い」って姿勢を崩しませんし、シェア拡大や大量生産も行わずにブランド価値を守って価格を維持していますよね。

低価格商品で世界第二位の経済大国になった中国の企業も、今は低価格から高品質・高付加価値商品に方向転換しつつあります。

価格競争は短期的には企業業績に寄与するでしょうけど、消耗戦なので後には何も残りません。
利益を削れば、研究開発費や人件費を圧迫するので、新しい画期的な商品を生む力や、社員の購買力が失われて、経済全体としては悪循環に陥るのは当然です。

まぁ、変態模型オタクがそんなことを考えても仕方ないかもしれませんけどね。

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